11月も下旬となり、平地の名所でも続々と紅葉の見頃を迎えている。紅葉シーズンの後半にさしかかる今週末(11月23日(祝)・24日(日))、美しい光景を楽しめそうな全国の紅葉スポットをピックアップして紹介する。
※各スポットの見頃は2024年11月20日時点の情報です。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
※そのほかの内容は取材時点の情報です。また、写真は2023年以前のものです。
【東北】今見頃・まもなく見頃を迎えそうな名所
■【東北・岩手県】盛岡城跡公園(岩手公園) / 紅葉と石垣のコントラストが美しい
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
北上川と中津川の合流地点に位置する丘陵地を利用し、南部信直によって築かれた盛岡城。天守などの建造物は、明治維新後の明治7年に払い下げられたが、風格ある石垣と城跡を整備してできた盛岡城跡公園(岩手公園)は現在も親しまれている。9ヘクタール以上の広大な土地に、石川啄木の歌碑をはじめとするさまざまな文学碑やもりおか歴史文化館など、文化に触れることができるスポットが多く存在する。
秋の紅葉シーズンには貴重なモミジ・カエデ類など400本以上の木々が赤や黄に色づき、大勢の市民や観光客で賑わう。例年10月下旬から、イロハモミジ、イタヤカエデ、ナナカマドなどが見頃を迎える。
■【東北・福島県】花と歴史の郷 蛇の鼻 / 約500本のカエデが園内を赤く染める
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
明治の末に建てられた豪農伊藤家の別邸「蛇の鼻御殿」がある園内は、季節ごとに咲く美しい花々に彩られる。樹齢100年を超えるカエデが500本以上あり、10月下旬頃から徐々に色づきはじめ、園内を真っ赤に染めていく。カエデの中には幹周りが2メートル近い大樹もあり、見応えは十分。擂鉢(すりばち)池の水面には紅葉が鏡のように映り込み、この時期だけの優美な光景を楽しめる。紅葉と合わせて、キクやサザンカなどが花開く姿も園内で鑑賞することができる。また、2024年10月26日から11月24日(日)の期間は、もみじ祭りが開催。
■【東北・福島県】矢祭山 / 燃えるような紅葉に包まれる清流と奇岩の渓谷美
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
奥久慈県立自然公園矢祭山は、その景観のすばらしさから「東北の耶馬溪」とも称される県内有数の景勝地となっている。久慈川の清らかな流れとともに奇岩怪石に富んだ渓谷が続き、独特の風景を造り出している。例年、11月中旬には辺り一面が真っ赤に燃えるような紅葉に包まれ、澄みきった青い空との美しいコントラストは見事。矢祭山公園の周辺には、月見橋や夢想橋、あゆのつり橋など、一幅の絵のような景色が楽しめるスポットも多い。
【関東】今見頃・まもなく見頃を迎えそうな名所
■【関東・群馬県】徳明園 / 見頃が長い、エリア屈指の庭園紅葉美
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
徳明園は、そのスケールの大きさで北関東屈指の名園と評される日本庭園。隣接する洞窟観音の建設と並行して造園が進められた。庭園は枯山水、池泉回遊、苔庭、石庭の4つのエリアからなり、それぞれに群馬の銘石とされる三波石の巨石とモミジがふんだんに配置、植樹され、紅葉の名所として名高い。庭園の特徴である高低差により色づき時期が異なるため、紅葉の見頃は例年11月中旬から12月上旬までと比較的長く、39観音の御利益洞窟観音ご参拝と秋の紅葉庭園を一緒に楽しめる。
■【関東・茨城県】永源寺(もみじ寺) / 境内が色鮮やかなモミジに埋め尽くされる「もみじ寺」
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
茨城県にある永源寺は1446年(文安3年)に創建された曹洞宗の寺院で、芸能の神である弁財天を祀る、大子七福神巡りの七番寺。通称「もみじ寺」とも呼ばれるほどの紅葉の名所でもあり、紅葉の時期に赤や黄色に色づいたモミジに埋め尽くされる境内の風景は、日本の美しい秋を感じさせ、まるで京都にいるかと思わせるような素晴らしさだ。例年、10月下旬頃からモミジやケヤキ、カエデが色づき始め、11月上旬から11月中旬頃にかけて紅葉が見頃を迎える。
■【関東・茨城県】偕楽園 もみじ谷 / 日本三名園の秋は真っ赤に染まるもみじ谷の紅葉
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主徳川斉昭によって造園され、金沢の兼六園、岡山の後楽園とならぶ「日本三名園」のひとつ。水戸市の中心部にありながら、四季折々に見頃を迎える植物が植えられているのも特徴。偕楽園拡張部のもみじ谷は紅葉の名所としても知られており、時期になると約170本の彩り豊かなモミジやカエデが訪れる人の目を楽しませる。また、もみじ谷にある池の水面に映る秋色の木々が美しく、季節の移り変わりを感じることができる。
■【関東・茨城県】筑波山 / 関東平野を一望できる紅葉スポット
色づき状況:色づき始め(※2024年11月20日現在)
男体山、女体山の2峰からなる筑波山は、標高の低い日本百名山のひとつ。山頂から御幸ヶ原にかけてはブナをはじめとした落葉紅葉樹が多く、11月上旬から紅葉を楽しむことができる。また、筑波山神社そばのケーブルカー宮脇駅周辺の紅葉も見事。山頂へは登山コースのほか、ケーブルカー、ロープウェイを利用すれば山頂付近まで楽にアクセスできる。
■【関東・埼玉県】長瀞 / 川下りで水面に映る紅葉を楽しめる
色づき状況:今見頃(※2024年11月20日現在)
長瀞町を流れる荒川を舟で下る川下りから、川沿いのモミジ、クヌギ、ナラなどの美しい紅葉が見られる。また、500メートルにわたって続く岩石群の岩畳は国指定名勝および天然記念物に指定されており、紅葉の季節は特に絶景が楽しめる。見頃は11月上旬から下旬で、長瀞町内にスポットが点在しており、鉄道や船、ロープウェイに乗ってゆったりと紅葉を楽しむことができる。
■【関東・東京都】高尾山 / 山頂から谷いっぱいに広がる鮮やかなモミジが格別
色づき状況:色づき始め(※2024年11月20日現在)
高尾山は都心から電車で約1時間と好位置にある自然の宝庫で標高は599メートル。1967(昭和42)年に明治の森高尾国定公園に指定された山内には、約1200種の植物、約100種の野鳥、約5000種の昆虫が生息している。中でも秋のモミジは格別で、山頂のもみじ台や薬王院の周辺、ケーブルカー清滝駅、高尾山駅など、約1カ月にわたって多くの登山者の目を楽しませている。