温泉大国・九州の中でも、日本一の源泉数を誇るのが大分県である。大分県は「おんせん県おおいた」を名乗り、県民たちはマイカーに温泉グッズを常備しているという噂もあるほど温泉愛に満ちている。こと別府においては、町のそこら中に湯けむりが上がり、自宅に温泉が湧いている家庭も少なくない。また、自宅の風呂が温泉でなくても、地元民御用達の「ジモ泉」と呼ばれる共同浴場がそこかしこにあるため、仕事で別府に転勤となった社会人は家のお風呂に入らなくなる、というジンクスも!普通の温泉地とは一線を画し、地元に根づいたディープな湯が湧きまくっているのが別府である。そんな別府を訪れたなら「この湯は押さえておきたい」という初心者必須の3湯を紹介する。初心者向けと言っても、そこは別府!ディープな湯が登場するのでお楽しみに。
全国トップクラスの濃厚な泥湯!異彩を放つビジュアル最強の「別府温泉保養ランド」
真っ白…いや“白”を通り越し、濃いグレーといえるであろう。ドロドロに濁った“透明感ゼロ”の湯が広大な露天を満たしている。ここは別府市・明礬(みょうばん)温泉にある「別府温泉保養ランド」である。別府市は海に面した市であるが、明礬温泉は市街地より少し山手に登った場所に位置し、温泉天国・別府においても特に硫黄の匂いが充満した“白濁湯エリア”である。
別府温泉保養ランドでは、世界でも数少ない鉱泥を楽しむことができる。一般的に温泉の湯を表現する際、よく「化粧水のような…」という例えを聞くが、こちらの湯は「クリームに身を浸からせている」という表現がしっくりくるだろう。それほどに濃厚な湯なのである。
広大な露天は見晴らしがよく、山から吹く風も気持ちいいのでこの季節には特におすすめだ。ただ、混浴という点を少し気がかりに思う人もいるかもしれない。そこで、取材に対応してくれた別府温泉保養ランドの部長である福田悠希さんに混浴の利用状況について話を聞いてみた。