ウォーカープラス

生きていればどんな人も年をとっていく。その中で女性特有の問題といえば、更年期による症状や悩み。閉経の前後10年間(一般的に45〜55歳ごろ)にあたる更年期に、女性ホルモンの分泌が減少することで、心身にさまざまな不調が起きる。


そんな更年期の女性をターゲットにしたクラシエ株式会社のサブスクリプションサービスが「Fun to Me(ファントゥーミー)」。「養生食」のスープとお茶、セルフケア方法の情報が届くサービスだ。「養生食」とは、健康の維持・増進のための食事のこと。「Fun to Me」では、漢方理論と世界の伝統療法に共通する基本理論を融合させて定義した、独自の「虚-実、寒-熱、湿-燥」3軸・6要素の組み合わせで、個々の心身のバランス状態を8タイプに判定し、タイプに合わせたスープとお茶、セルフケア方法を提供。総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」でも導入されるなど、注目を集めている。「Fun to Me」のサービスがどのようにして生まれ、何を目指すのか。クラシエ株式会社の経営企画室企画部長の津田聖一郎さんとフロンティアBCメノテック事業推進グループ長の飯田美穂さんに話を聞いた。


クラシエ株式会社のフロンティアBCメノテック事業推進グループ長の飯田美穂さん(左)と経営企画室企画部長の津田聖一郎さん(右)。クラシエのさらなる成長のために新規事業開発に乗り出した 【撮影=三佐和隆士】


クラシエの新たな成長のために。新規事業の社内コンペを開催


クラシエは3つの事業で成り立つ会社だ。ヘアケア用品の「いち髪」や基礎化粧品の「肌美精」などのトイレタリー・コスメティックス事業、薬局・薬店向けトップシェアを誇る漢方薬を中心とした薬品事業、そして「ねるねるねるね」といった知育菓子(R)や「甘栗むいちゃいました」などの食品事業がある。それぞれの事業で名の知れたブランドを擁するが、クラシエの将来を考えたときに、この3つだけでは立ち行かなくなるという考えが会社にあったという。


「既存の3事業ではない、新たな事業を創出することがクラシエの未来につながると考え、2021年から毎年、『KracieX(クラシエックス)』と名付けた社内公募で新規事業案を募集することにしました。クラシエのスローガンである『夢中になれる明日』のマインドは踏襲しつつも、事業内容は自由に考えてもらいました」


KracieXの応募者はさまざま。部長クラスの社員もいれば、物流や研究職、営業職といった普段企画を業務にしていない部署からの応募もあり、非常に盛り上がったという。どんな事業が提案されていたのだろうか?


「既存事業を活かしたものもあれば、まったく関係のないものもありましたね。新しい事業内容を創出することが目的でしたから、既存事業が単独で解決できるものは対象外という縛りを設けていました」と津田さん。


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