映画「PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜」やドラマ「闇バイト家族」「嘘解きレトリック」など、話題作の主演が続く鈴鹿央士さん。不思議な記憶を巡る兄と妹の物語を描いた映画「花まんま」では、有村架純さん演じるフミ子の婚約者で大学の助教授・中沢太郎を演じている。
本作で演じた役柄についてやフミ子の兄・俊樹を演じた鈴木亮平さん、有村架純さんとの撮影エピソード、さらに訪れてみたい韓国の人気スポットなどを語ってくれた。
これまで演じてきた役柄とは全く違う“太郎”の印象は「他人をちゃんと理解する優しさを持った人」
――原作は第133回直木賞を受賞した朱川湊人さんの短編集「花まんま」の表題作で、幼少から別の女性の記憶があるという秘密を抱えた女性フミ子と、フミ子の兄・俊樹の物語を描いています。最初に原作を読まれたときはどんな感想を持ちましたか?
【鈴鹿央士】ファンタジー要素はありますが、“もしかしたら現実にも起こるのではないか”そんなふうに思いました。そんな中で僕が演じた中沢太郎は、原作では最後に少しだけ登場するキャラクターだったので、そこからどう膨らませていくんだろうと、すごく楽しみでした。完成した脚本を読んだら、太郎がすごく魅力的でユニークな人として描かれていたので、そこをしっかりと表現しなければと思いました。
――本作の監督を務めた前田哲さんは、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そして、バトンは渡された」など、“死”を扱った作品が多いですが、ご一緒することが決まったときはどんなことを思いましたか?
【鈴鹿央士】前田監督の作品を観ると、“前向きに生きていこう”と思えるようなメッセージをいつもいただくので、ご一緒するのがすごく楽しみでした。
いただいた脚本を読んでみると、“死”や“家族”を扱った作品だったので、自分自身の家族との向き合い方や“死”について、撮影を通してたくさん考えることになるんだろうなという予感がありました。クランクインしてからは、テーマと真摯に向き合うことを大事に演じるようにしていました。