多くの人が心待ちにしていたゴールデンウィーク(GW)がいよいよスタート!今年は平日を挟んだ、“飛び石”型の連休であることから、遠出が叶わない人も多いのではないだろうか?そんな人たちにおすすめしたいのが、近場で非日常を味わうことのできる映画館。日々多くの作品を観ている映画ライターたちに聞いた、GWに観たいおすすめの映画5本をご紹介!
<映画ライター・石塚圭子さんがおすすめ!>
ドラマチックなシーンがたっぷりな『名探偵コナン 隻眼の残像』(公開中)
公開から3日間で興収約34億3900万円という記録的大ヒットスタートを切った劇場版シリーズ第28作。舞台は雪に覆われた冬の八ヶ岳。長野県警の優秀な3人、大和敢助警部(声:高田裕司)、諸伏高明警部(声:速水奨)、上原由衣刑事(声:小清水亜美)と、私立探偵の毛利小五郎にスポットを当てた物語で、コナン(声:高山みなみ)が大和警部の記憶に隠された謎と、公安をも巻き込んだ大事件の真相解明に挑む。
メインキャラが、それぞれ大切な人を失ったつらい経験を持つ大人たちである本作は、人間ドラマ、刑事ドラマとしてのおもしろさに軸を置いた本格的なミステリー。シリアスで骨太なストーリー展開で、むしろ大人が楽しめる作品になっている。物語をより深く味わうために、長野県警関連のエピソードをアニメや原作でおさらいしておくのがおすすめだ。
物語のはじめに、小五郎の刑事時代の相棒・鮫谷警部(声:平田広明)が何者かに射殺されたことで、いつもはズッコケな小五郎にグッとギアが入り、元警視庁捜査一課の刑事らしい真剣な表情や天才的な射撃の腕前が見られることも注目ポイント。小五郎のかっこいい姿は実に20年ぶり(!)だ。ほかにも、幼なじみの敢助と高明の友情、敢助と由衣の不器用な恋愛、高明の弟・景光(声:緑川光)への思いなど、心を揺さぶられるドラマチックなシーンがたっぷり。警視庁、公安の面々はもちろん、少年探偵団の元太(声:高木渉)や光彦(声:大谷育江)が思わぬ活躍を見せるなど、数多い登場人物が物語の本筋にしっかり関わってくるのが本作の特徴だ。タイトルにちなみ、全編にちりばめられた各キャラのフラッシュバックの映像を確認するためにも、ついもう一度観直したくなる。