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車の中が“5度涼しくなる”塗装…?未来を感じる日産自動車の「自己放射冷却塗装」とは

2024年8月29日

  • 同じ色なのに、塗装が違うだけで車内の温度が5度下がる――。そんなSF作品に出てくるような塗料を、日産自動車が開発している。“メタマテリアル”と呼ばれる技術を活用した「自動車用自己放射冷却塗装」は、車内温度の上昇を抑制しながら、エアコン使用時のエネルギー消費を減らし、燃費・電費の向上に繋がるという。2024年8月、メディア向けに公開された実証実験の模様とともに、その仕組みや将来の展望について紹介したい。


    羽田空港で「自動車用自己放射冷却塗装」の実証実験が公開


    自然界にありふれた“放射冷却”を、自然界にない材料技術で実現


    自動車用自己放射冷却塗装は、放射冷却製品の開発を専門とするラディクール社と日産自動車が共同開発した塗料。放射冷却とは、物体が外部に熱を電磁波として放射し、温度を下げていくことを言い、それ自体は自然界にありふれた現象。一例を上げれば、晴れた冬の朝に地面に霜ができるのも、夜間に放射冷却で地面が冷えることが関わっている。


    通常塗装に比べ、ルーフパネル表面温度はマイナス12度、運転席頭部空間はマイナス5度の効果


    そうした放射冷却を、人工的に引き起こすのが自動車用自己放射冷却塗装の原理。自動車を自己放射冷却塗装で覆うことで、熱エネルギーを塗装面から宇宙空間に向けて放出し、外装、そして車内の温度が上昇することを抑えられるというのだ。

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