コーヒーで旅する日本/四国編|田園風景のただ中にぽつんと一軒。幅広い世代が集う、小さな店が秘めた大きな包容力。「クエイル珈琲」
2024年10月2日
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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。瀬戸内海を挟んで、4つの県が独自のカラーを競う四国は、県ごとの喫茶文化にも個性を発揮。気鋭のロースターやバリスタが、各地で新たなコーヒーカルチャーを生み出している。そんな四国で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが推す店へと数珠つなぎで回を重ねていく。
四国編の第25回は、徳島県石井町の「クエイル珈琲」。広大な田畑をバックにポツンと立つ、小さな箱のような店を訪れると、のどかな風景にいっそう開放的が感じられる。地元出身の店主・井口さんにとって、日々訪れるお客のほとんどは、ご近所さんのような感覚。お年寄りから農家の人々、小中学生まで幅広い世代が立ち寄る憩いの場に。コロナ禍の中でのオープンを経て、この小さなコーヒーショップが、世代を問わず界隈の日常に寄り添える場になった理由とは。