「誰もが気軽にものづくりを楽しめる場所」を運営し、ものづくりの楽しさや創造性を発信&社会に貢献
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国内でも工芸品や工業製品など優れた技術を持つ産業が多いといわれる福井県。中には国内シェア、世界シェアの上位を誇る技術もあり、優れたものづくり技術は県の魅力にもつながっている。福井市でものづくり工房「トンカンテラス」を営む株式会社ソリッドラボの代表、黒田悠生さんもサステナブルなものづくりの楽しさを伝えるひとりだ。その活動内容について話を伺った。
大学を卒業後、福井県内のプラスチックメーカーに就職。東京の支店で4年前まで働いていたという黒田さん。「会社ではプラスチック製品を作る一方で、廃棄されるプラスチック製品をリサイクルして新たな価値を生み出す仕事にも携わっていて、サステナブルなものづくりに興味を持っていました」。仕事は順調だったが、父の介護をきっかけに福井へ戻ることに。「せっかく戻るなら、誰かのための1個だけのものづくりができる場所を作りたい」とトンカンテラスを立ち上げた。
「トンカンテラス」には、あらゆるものづくりに対応できるようさまざまな道具をそろえている。また老若男女、ものづくりがしたいと思ったら誰でも気軽に利用できるのも特徴だ。「レーザーカッターを使って家の表札を作ったり、手が不自由な方が自分でペットボトルを開けられるような自助具を作ったり、手芸教室の先生がパーツを作りに来ることもあります」という黒田さんは、作り方に困ったらサポートをしてくれるとも。「こんなものづくりをしたいけど、作り方がわからない、という人にも丁寧に教えます。ものづくりをしたことがない人にこそ、その楽しさを伝えたいですね」と笑顔で話す。