ブラック企業で孤軍奮闘→「夢も希望もない孤独な人生」人生と引き換えに“飛ぶ”ことを手に入れた男の結末とは?【作者に聞く】
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空を見上げて、鳥のように飛べたら自由になれる気がした。自分の人生に何の価値もないと思っていた中年男性が「空を飛べる」力をもらう代わりに自らの人生を売った、勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)さんの「飛ぶ男」を紹介しよう。本作は、2024年5月に投稿された読み切り漫画で、4000を超えるいいねがついた。
読者の捉え方でそれぞれ受け止め方が変わるラストに「こういうの好き」「大変おもしろい」との声が!
ヒューマンドラマやエッセイも好きでよく描くという勝見ふうたろーさんが漫画を描き始めたきっかけは、中学生のときに読んだ松本大洋さんの「鉄コン筋クリート」だそうだ。絵だけで感情や物語を描いている奥深さに圧倒された勝見さんは、「こんな味わいのある作品を描きたいと思い、描き始めました」と教えてくれた。
漫画は絵が面白いのが、まず最初に大事なことだと思っている勝見さんは、絵として「背広のおじさんが空を飛んでいる」のが、おもしろいと思ったのが始まりで、本作を描いたという。
本作でカルト宗教に飲み込まれていくような、不気味な怖さを伝えたいと思った勝見さんは、「ただ最初からそれを全面に出すと人を選びそうな気がしたので、初めのシーンは楽しそうにしておいて、少しずつ本来のテーマに誘導していきました」と制作の裏側を明かしてくれた。
月を目指すことについては、「僕にとっては『欲しいけれど、実際に手にしてはいけないもの』の象徴だからです。綺麗で魅惑的には見えるけど、実際には過酷な環境なわけですから。パンドラの箱のようなイメージが強くあります」と語った。
取材協力:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)
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