日本の基礎調味料である醤油。多くの家庭に常備され、煮る・焼くなどの料理に使ったり、刺身につけたり豆腐にかけたりしているおなじみの調味料だ。その醤油が2010年ごろからとある変化を遂げていることはご存知だろうか。
それまで醤油といえば、びんやペットボトルで1リットルに近い容量での販売が中心で、購入した醤油は醤油さしに移し替えて食卓に並んでいた。しかし、昨今は300ミリリットルほどの鮮度保持ボトルで販売されるのがスタンダード。そんな容器の変化のきっかけとなったのが“醤油の鮮度”だ。
“醤油の鮮度”とは何を指すのか、鮮度保持が可能な容器の開発にはどのような工夫や苦労があったのか。“鮮度”にフォーカスを当て、世界初の「鮮度保持容器」を開発したヤマサ醤油株式会社(以下、ヤマサ醤油) マーケティング部宣伝広報室の西谷綾さんに話を聞いた。
時代の移り変わりによって醤油の容器も変化
日本人の食文化と共にある醤油の由来には諸説あり、最古のルーツとして考えられているのが、中国発祥の塩漬けした発酵食品「醤」(ひしお)だ。