「ゴクゴク飲める、健康的な水分補給」として人気を誇るアサヒ「十六茶」。キャッチコピーは「カラダにいいこと」。近年、健康志向が高まるなかで、その独自性と飲みやすさが注目を集めている。特に、“水分補給のアップグレード”を実現するという点が、多くの人に支持されている理由のひとつのようだ。さらに、SNSでも話題となった新ラベルのデザイン性が加わり、若年層の心もつかんでいる。
今回、その進化の背景にはどのような戦略と想いがあるのかを徹底解明するため、アサヒ飲料株式会社のキーパーソンに話を聞いた。マーケティング本部・無糖茶グループでプロデューサーを務める内田勝大さん、そして、プロモーション戦略部ブランドプロモーショングループの樋口温子さんが、十六茶に込めた想いや戦略について語ってくれた。
商品開発におけるこだわりから、デザインの裏側、さらには市場での立ち位置まで、幅広い視点からアサヒ「十六茶」の魅力を探る。日常の水分補給をアップグレードするために、どのような工夫がされているのか。その秘密をじっくりと掘り下げる。
水分補給をもっと健康的に!十六茶が提案する“ゴクゴク飲める”お茶の魅力
――十六茶について、誕生の経緯やコンセプト、「16」という数字の由来についてあらためて教えてください。
【内田勝大】十六茶はもともとはアサヒ飲料のブランドではなく、実はシャンソン化粧品のブランドです。1985年に、美容と健康のためのお茶として発売されました。その後、1993年にアサヒ飲料が「お茶どうぞ 十六茶」という名前で商品化したのが、我々としてのスタートになっています。シャンソン化粧品が提案した美容と健康というコンセプトを、飲料という形でさらに広めていくというのが、十六茶がアサヒ飲料ブランドとして歩み出した背景です。
――コンセプトについて詳しく教えてください。
【内田勝大】十六茶のコンセプトは、美容と健康のお茶です。特に東洋健康思想に基づいた考え方を大切にしており、六臓六腑、四味覚という思想が根底にあります。六臓六腑とは、いわゆる臓器のことで、それらのバランスが整っている状態が健康であるという考え方ですね。東洋健康思想では、臓器そのものだけでなく、それを支える周辺器官も含めてバランスが大切とされています。四味覚は甘い、苦い、しょっぱい、酸っぱいの4つの味覚がバランスよく含まれていることがおいしさのポイントだということです。東洋健康思想の「六蔵六腑四味覚」、この「6+6+4=16」が「16」の由来であり、十六茶はこの考えをもとに、16種類の健康素材を絶妙なバランスでブレンドしています。