吉沢亮さんが主演を務め、横浜流星さんが共演する映画『国宝』が、カンヌ国際映画祭監督週間で公式上映され、6分間にわたる割れんばかりのスタンディングオベーションに包まれた。
『国宝』は、吉田修一さんが自身の歌舞伎黒衣としての経験を糧に書き上げた同名小説を、『怒り』の李相日監督が映像化したもの。任侠の世界から歌舞伎の道へと導かれた一人の男が、芸に人生を捧げた50年の軌跡を描く。吉沢亮さんと横浜流星さんが、1年半の歌舞伎稽古を経て臨んだ渾身の作品だ。
李相日監督が明かした、カンヌへの想い
カンヌの地へ到着した際、李相日監督は公式上映に向けての心境を語った。
「日本の伝統芸能を扱っている作品がカンヌに出品されることは、そう多くはない。今の映画界でトップを走っている俳優たちが勢ぞろいして、日本の伝統芸能を題材にした作品に取り組むという、エンターテインメント性と作品性の両方を持っている作品が選出されたのはすごいことだし、どう見られるかがとても気になる。公式上映は、作り手にとっては重圧で、なかなかタフな時間になる」(李相日監督)。