2023年度の主要ミステリーランキングを総なめにした呉勝浩さんの傑作小説『爆弾』が、山田裕貴さん主演で映画化される。そして原作ファンの間で誰がこの役を演じるのか、さまざまな予想や考察が繰り広げられていた謎の男・スズキタゴサク役は、佐藤二朗さんであることが明らかになった。
原作は「このミス」「ミス読み」W受賞の話題作
映画『爆弾』は、『このミステリーがすごい!2023年版』(宝島社)と『ミステリが読みたい2023年版』(ハヤカワミステリマガジン)で堂々の1位を獲得した、呉勝浩さんの同名小説が原作。背筋が凍るような衝撃展開の連続で多くの読者を魅了し、続編『法廷占拠 爆弾2』も話題を呼んでいる。
監督は『キャラクター』『恋は雨上がりのように』『帝一の國』などで知られる永井聡さん。繊細な心理描写とスリリングな映像表現に定評がある永井監督が、「心の中に誰しもが抱えている爆弾」という深層テーマに挑む。
酔っ払いの中年男が引き起こす、東京壊滅の危機
物語は、ある夜の些細な事件から始まる。酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の中年男。彼は自らを「スズキタゴサク」と名乗り、霊感が働くと称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。秋葉原での爆破を皮切りに、この後一時間おきに3回爆発すると予知していく。