ホラー漫画家のかんさびさん(@kansabi_kk)。その奇妙な話は、結末にいつも優しい余韻を残すことで知られている。「悲しく怖い、つらい怪談や不思議な話に少々疲れていまして。一見怖い話でも、実は温かい側面や理由がある、救いがあるという考えが好き」と、作品の軸について語る。今回は「家にいるものの話」として、家に棲む怪異と少年の物語を紹介するとともに、制作の経緯や見どころを聞いた。
少年にしか見えない「黒い影」の正体
「今回は、子ども視点で怪異を見たとき、というお話を作ろうと考えていました」と制作の経緯を話すかんさびさん。物語の少年は、家の中に黒い影を見つける。少年は「僕の家には何かいる」と思っていたが、祖母はそれを「家の守り神」と呼んだ。影は少年に近づき、一緒に遊ぶこともあった。
違う視点から見る世界
物語の視点はやがて「家の守り神」と言われる怪異へと変わる。「ほかの動物や昆虫の視点から見る世界というドキュメンタリーを見て、全然違う視点や色、物の捉え方をしていることを知り、この話を思いつきました」と、着眼点を教えてくれた。