譲渡会で見かけたボサボサで毛玉だらけの子猫。噛み癖が激しかったこともあり、なかなか引き取り手がなく、「単身者でもOK」という里親条件をゆるめてもらえたことで引き取ることになった。「筆坊」と名付けた黒猫は、あまりにも塩対応で素っ気ない。筆坊が野生を忘れて懐いてくるようすはなく、いまだ狩りの練習に余念がないようで爪を立てられることもしばしば。今回は、Xで連載中の夏宇(720yushin)さんの「うちの猫は様子がおかしい。」を紹介するとともに、創作のきっかけや筆坊について話を聞く。
思っていた猫の性格と違う!筆坊だけのマイルール
懐かない猫・筆坊の特徴的な一面は「ご飯の催促をしない」こと。お皿にご飯を用意しても気づかず、しばらく経ってから「お?ある」といった様子で食べ始める。その姿は「飼い主にもらった」ではなく「自分で見つけた」と思っているかのようだ。絶食のときは、ご飯が出なくても飼い主が責められることはなかったという。そんな筆坊は正面から見るとヒゲが見えず、普段は後ろに収納している。猫のヒゲが後ろ向きなのは恐怖や警戒のサインとされ、無理に戻そうとすると「それが猫の誇りだ」と言わんばかりに噛みつかれてしまった。ところが、おもちゃを差し出すと一瞬で前に戻るという。