ウォーカープラス

村上春樹さんの傑作短編連作『神の子どもたちはみな踊る』のうちの4編にオリジナル設定を交えてドラマ化した『地震のあとで』。その『地震のあとで』に新たなシーンを加えて映画化した『アフター・ザ・クエイク』で、謎の“箱”を釧路へ運ぶ男・小村を岡田将生さんが演じている。


『ドライブ・マイ・カー』に続き2度目の村上作品への参加となる岡田さんに、撮影エピソードや村上作品の魅力、井上剛監督のユニークなリハーサル法について、さらに韓国に撮影で訪れた際に食べた絶品グルメなどを語ってもらった。


『アフター・ザ・クエイク』で“小村”を演じた岡田将生さん 撮影=三橋優美子


村上春樹さん原作の作品は「俳優として発してみたいセリフが多い」


――村上春樹さんの小説を映像化した作品への参加は『ドライブ・マイ・カー』に続いて2本目となりますが、最初に本作のお話をいただいた時の心境はいかがでしたか?


【岡田将生】最初に村上春樹さんの小説に触れたのが『ノルウェイの森』で、そのあと『ドライブ・マイ・カー』への出演が決まったタイミングで『神の子どもたちはみな踊る』も読んでいて、その時に“村上さんが書く言葉はすごく自分の中に入ってくる”と感じたんです。『ドライブ・マイ・カー』の時も思ったのですが、村上さんの作品はお芝居に関して正解がないような気がしていたので、今回の役もすごく難しいのだろうなという予感はありました。


――本作で岡田さんが演じられたパートの中で、印象に残っている言葉や大事にした言葉を教えていただけますか?


【岡田将生】小説にも本作にも登場する『からっぽ』という言葉はとても印象的というか、体内に残っていくような言葉だと感じました。ほかにも自分の中で引っかかるというか、気になる言葉が今回は多かったです。そられはすべて“俳優として発してみたいセリフ”でもあるので、あらためて今作と出会えてよかったなと思いました。


撮影=三橋優美子


――小村の背景は劇中で具体的には描かれておらず、「なぜ妻が突然姿を消したのか」「彼の過去に何があったのか」など自分の中でいろいろと想像をしながら鑑賞していました。岡田さんご自身は小村をどのような人物だと捉えて演じられましたか?


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