東北地方、主に山形県に江戸時代から伝わる「ムカサリ絵馬」という風習がある。これは、未婚のまま亡くなった人の寂しさを癒すため、死後に結婚をさせる“死後婚”の儀式であり、婚礼服姿の男女の絵を奉納するものだ。この儀式には、決して破ってはいけない掟があるという。
「ムカサリ絵馬」の破れない掟
今回は、この「ムカサリ絵馬」を題材にしたホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』の第2話を紹介する。主人公の女子高生・螢は怪異が見える体質。ある日、転校生あざみの肩に凶悪な怪異が取り憑いていたことがきっかけで二人は仲良くなる。
平穏な日々を過ごしていたのも束の間、あざみを追って前の学校の男子生徒が校門に押しかける事件が発生。異常なあざみへの執着からストーカー行動はエスカレートし、螢が「生き霊とかになられたら困る」と心配していた矢先に事件が起き、「ムカサリ絵馬」が絡むホラーな展開へと進んでいく。