「M-1グランプリ2021」で世間の注目を集めたモグライダー。ブレイク後、バラエティ番組などで活躍している芝大輔さんが、初となるエッセイ本『煙太郎』を上梓。実力派ツッコミとして知られる芝さんが、今あらためて感じる「M-1グランプリ」やテレビへの思い、また、初めての執筆について語ってくれた。

文章にすることで自身の気持ちや周囲を見つめ直せた
――文章で自己表現をすることについて、お笑いの仕事やネタ作りと比べ、どんなことにおもしろみを感じましたか?
【芝大輔】自分は普段、ほとんど読書もしないですし、文章を書くという習慣もないんです。けれど、書くという体験は話すよりも自分がどんなことを考えているか、確認しながら出力する作業なんですよね。それがすごく楽しかったです。
喋るだけのほうがラクはラクなんですけど、文字にすると書き方や言葉の選び方も見つめ直す時間が絶対に出ますよね。これって意識しないとなかなかできないことなので、いい経験になりました。普段の喋る仕事でも、エッセイのために思い出したエピソードを話すことができましたしね(笑)。

――かが屋の加賀翔さんがカメラマンを担当しています。撮影時のエピソードを教えてください。
【芝大輔】『煙太郎』というタイトルをなぞって、タバコを吸うシーンを何度も撮影したんです。そこで、タバコを吸えるハウススタジオを探してくれたみたいで。ありがたいんですけど、メイク中も灰皿を置いてくれて、「いやメイク中は…」と何度も断りつつ、撮影日にだいぶ寿命を縮めたんじゃないかってくらい、吸わせてもらいました(笑)。