村井理子さんのノンフィクションエッセイ『兄の終い』を原作に、中野量太監督が映画化した『兄を持ち運べるサイズに』。主演を務めるのは、数々の作品で強い存在感を放ってきた柴咲コウさんだ。本作で彼女が演じるのは、主人公として描かれる原作者の村井理子さん。兄妹の関係を中心に、家族のリアルな日常を軽やかに、時に痛烈に描くこの物語へ、柴咲さんはどう向き合ったのだろうか。撮影現場の空気感や役作り、そして家族への思いを聞いた。

柴咲コウ「素朴で温かみのある主婦は、演じていて新鮮でした」
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
【柴咲コウ】特に大きな出来事があったわけではないんですけど、監督とプロデューサーは昔からの信頼関係があって、友達みたいな雰囲気なんです。
お二人の空気感が自然に現場に出ていたこともあり、周りにいるみんなも気負わずにコミュニケーションがとれて、とても居心地がよかったですね。
――俳優さん同士の関係は、どんな雰囲気だったのでしょうか?
【柴咲コウ】義妹役の満島ひかりちゃんには、撮影期間中にずっと質問しちゃってましたね。年下なんですけど、自立していて、しかも何でも聞いてくださいっていうオープンな雰囲気の方なんです。プライベートのことも含めて、いろいろと聞かせていただいて、学びが多かったですね。

――兄役のオダギリジョーさんとはいかがでしたか?