「ゴキブリ」と聞くと、背筋がゾッとする人も多いだろう。ドラッグストアやスーパーには、スプレー、ベイト剤(毒餌)、燻煙剤など、ゴキブリを駆除するためのグッズが数多く並んでいるが、正しく効果的に使う方法を知っている人は意外と少ないかもしれない。
そこで今回は、大阪府に拠点を置き、飲食店やホテルを中心にゴキブリの駆除・防除に取り組む株式会社クリーンライフ(以下、クリーンライフ)代表取締役・大野宗さんに、ゴキブリの種類、家の侵入ルート、そして予防と駆除のコツについて話を聞いた。

日本に生息するゴキブリは主に4種類
日本には数十種類のゴキブリが生息しているが、屋内で衛生害虫となるのは主に4種類だ。そのなかでも、家庭でよく見かけるのは「クロゴキブリ」である。体長は30〜40ミリで黒褐色、寒さに強く、北海道を除く全国に分布し、冬でも生き延びるたくましさを持つ。
「クロゴキブリは日本に古くから生息する在来種で、もともとは自然界で暮らしていました。しかし、人々が家を建てたことで、室内にも入り込むようになったのです。私たちはこれを『家庭用ゴキブリ』と呼んでいます。一方、飲食店の厨房でよく見かけるのは「チャバネゴキブリ」です。体長は12〜15ミリで薄茶色、熱帯性の外来種で暖かい場所を好みます。