右耳難聴や子宮内膜症など、自身の体験をコミカルな漫画で描くキクチさん(@kkc_ayn)。母親の自宅介護と看取りをテーマにしたコミックエッセイ『20代、親を看取る。』は、自宅介護の現実や、親との死別と向き合う感情が描かれ、2023年に書籍化された。
新作コミックエッセイ『父が全裸で倒れてた。』は、母を看取ってから約2年後、今度は父が病に倒れてしまう話だ。母の介護・看取りを経て落ち着いて対応できることは増えたものの、一人っ子として頼れる家族がいないキクチさんは、さまざまな決断を迫られることになる。今回は、病に負けまいと力強く立ち向かう父の姿と、介護経験者なら共感できる「あるある」エピソードを届ける。
「生きてやるんだ」父が筆談で示した決意と涙
面会時、父は「病には負けないぞ」とでも言わんばかりに力強くキクチさんの手を握り、筆談で意思疎通を図ろうとする。会話はできないものの、必死に生きようとする父の気持ちが伝わるだけでも安心感があった。