
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』、『竜とそばかすの姫』など、数々のアニメーション映画を手掛け、国内はもちろん海外でも多くのファンから支持されている細田守監督。
そんな細田監督の最新作『果てしなきスカーレット』(2025年11月21日(金)公開)の公開に先駆けて、N高等学校・S高等学校・R高等学校(以下、N高グループ)とのタイアップ企画が進行中だ。その一環として、N高グループ・N中等部に通うメディア広報委員会の生徒たちが、監督から“モノ作りに対する姿勢や考え方”を教わる特別企画を実施。細田監督と生徒たちのやり取りを、インタビュー形式で紹介する。
細田守監督の若き日のエピソードも明らかに…
今回、細田監督と対談したのは、S高等学校3年生の瑠璃さん、S高等学校2年生のあつひめさん、N中等部2年生の愛禾さんの3名。それぞれと監督のやり取りは、以下の通り。

【あつひめ】細田監督は小学生のころに観たアニメに衝撃を受けて、アニメの世界を志し、それから真っ直ぐに進んでこられたと思うのですが、私も小学生のときに大河ドラマを観て、歴史が大好きになり、将来は歴史に関わる仕事に就きたいと考えています。けれども最近になり、「私の進路はこれでいいのか?」「本当に歴史が好きなんだろうか?」と考えてしまったり、迷いが生じるようになってしまいました。監督もアニメの世界を目指される過程で、迷われたり、立ち止まってしまったり…ということはあったのでしょうか?
【細田守監督】あまりなかったような気がしますが、ひょっとしたらその時々では迷っていたかもしれないですね。いまにして思えば大したことじゃなくても、迷ってる最中だと「本当にどうしよう…」みたいになる感じはわかります。僕が一番人生について迷ったのは、東映動画に入社して1年目のころですね。実際にアニメーションを作るようになって、「この業界に希望はあるのか?」と不安になってしまって。
けれども、仕事を辞めずに済んだのには理由があって。ちょうどその年に、ディズニー作品の『美女と野獣』が公開されたんですよ。これがもう、本当に衝撃的で、「こんなにおもしろい作品を作れる可能性があるのなら、アニメーションの世界でもうちょっと頑張ってみよう」と思えるようになったんです。もしあのとき、『美女と野獣』を観ていなかったら、この仕事を辞めていたかもしれないですね。