『沈黙の艦隊』で映画デビューを果たし、その後はドラマ『下剋上球児』や『ひだまりが聴こえる』に出演、連続テレビ小説『あんぱん』では嵩(北村匠海さん)の弟・千尋を演じて話題を集めた中沢元紀さん。お互いの心と体が入れ替わったまま15年の歳月を過ごす男女の物語を描いた映画『君の顔では泣けない』では、芳根京子さん演じる陸の親友・田崎淳一を演じている。
本作で演じた役柄についてや共演した芳根さんとの撮影エピソード、さらに憧れの俳優などについて語ってくれた。

2人が入れ替わっていることを知らない田崎「彼にしかわからない違和感を意識して演じた」
――君嶋彼方さん原作の本作の台本を読まれたときはどのような印象を受けましたか?
【中沢元紀】主人公の坂平陸と水村まなみは高校1年生で心と体が入れ替わってしまうので、入れ替わったあとの2人を演じるのはすごく難しいだろうなと思ったのが第一印象でした。
もちろん、自分が演じる田崎淳一に焦点を当てて読んだ部分もありますが、陸とまなみを軸に物語が展開していくので、“もしも自分が入れ替わったあとの陸、またはまなみを演じたらどうなるだろう?”と想像しながら読みました。完成を観て、芳根京子さんと髙橋海人さんが陸とまなみの複雑な心情を丁寧に表現していらっしゃったので、とても感動しました。
――陸の親友でまなみに想いをよせる田崎くんを演じるにあたり、どんなことを意識しましたか?