山口県岩国市の小さな酒蔵から世界へ挑み続ける「獺祭」。その原点と歩みをまとめた新刊「『獺祭 経営は八転び八起き』~美味しい酒を造りたい、ただそれだけを追いかけてきた~」(桜井博志著/西日本出版社)の出版記念記者会見が開かれた。会場にはメディア関係者が集まり、株式会社 獺祭の会長 桜井博志さんがこれまでの歩みと、新刊に込めた思いを語った。

“八転び八起き”の名に込められた、失敗と再生の記録
新刊『獺祭 経営は八転び八起き』は、桜井会長が初の著書から10年の歩みを自らの言葉で振り返る1冊。潰れかけの酒蔵を継ぎ、「美味しい酒を造りたい」という信念だけを頼りに挑戦を重ねてきた軌跡がつづられている。

この本が生まれたきっかけは、前著『獺祭 天翔ける日の本の酒』の存在にある。かつてジャーナリストの勝谷誠彦さんが桜井会長の酒造りに惚れ込み、情熱的に描いた1冊だ。桜井会長は「勝谷さんは本質をつかむのが鋭い人だった。彼が亡くなってから、“続編を話したほうがいいんじゃないの?”という、そんな勝谷さんの声が聞こえてきて、この本を出すことにしました」と語る。その思いが、今回の“八転び八起き”というテーマにつながっている。