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紅葉シーズンもいよいよ全国的なピークに。北海道は紅葉シーズンを終えつつあるが、東北から九州まで、多くの名所で見頃を迎えている。今回は、今見頃を迎えている名所や、今週末(11月15日(土)・16日(日))に美しい光景を楽しめそうな全国の紅葉スポットをピックアップして紹介する。


見頃を迎えそうな紅葉名所をピックアップ※写真は円通院の紅葉 画像提供:円通院


※各スポットの見頃は2025年11月12日時点の情報です。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。


※そのほかの内容は取材時点の情報です。また、写真は2024年以前のものです。


全国の紅葉見頃状況の分布図(2025年11月12日現在)


【東北】今見頃・まもなく見頃を迎えそうな紅葉名所


■【東北・秋田県】角館 / 黒板塀の町並みに映える美しい紅葉


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


青柳家前の紅葉が夕日を浴びて輝く/角館の紅葉 画像提供:(一社)田沢湖・角館観光協会


角館は、秋田藩の支藩、佐竹北家の城下町として栄えた町。400年以上の歴史を誇り、武家屋敷が保存され当時の面影をとどめている。春の桜が有名だが、秋の紅葉も目を見張るほど素晴らしい。例年、10月下旬から11月中旬にかけて、カエデ、イチョウが赤や黄色に色づく。黒板塀が続く道に紅葉が舞い、幻想的な世界にまぎれ込んだような感覚を味わえる。


■【東北・岩手県】盛岡城跡公園(岩手公園) / 紅葉と石垣のコントラストが美しい


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


濃い紅色の紅葉が空に映える/盛岡城跡公園(岩手公園)の紅葉 画像提供:盛岡市


北上川と中津川の合流地点に位置する丘陵地を利用し、南部信直によって築かれた盛岡城。天守などの建造物は、明治維新後の1874年(明治7年)に払い下げられたが、風格ある石垣と城跡を整備してできた盛岡城跡公園(岩手公園)は現在も親しまれている。9ヘクタール以上の広大な土地に、石川啄木の歌碑をはじめとするさまざまな文学碑やもりおか歴史文化館など、文化に触れることができるスポットが多く存在する。秋の紅葉シーズンには貴重なモミジ・カエデ類など400本以上の木々が赤や黄に色づき、大勢の市民や観光客で賑わう。例年10月下旬から、イロハモミジ、イタヤカエデ、ナナカマドなどが見頃を迎える。


■【東北・宮城県】円通院 / 歴史に裏打ちされた紅葉が見物


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


紅葉がライトアップされ、幻想的な景色を楽しめる/円通院の紅葉 画像提供:円通院


伊達政宗公の嫡孫光宗公の霊廟。円通院の御霊屋・三慧殿は、1985年(昭和60年)に国の重要文化財に指定されている。厨子には支倉常長がヨーロッパから伝えたと言われるバラや十字架が描かれ、小堀遠州作と言われる日本庭園も非常に美しい仕上がりだ。秋の紅葉の時期も美しく、例年、10月下旬頃からイロハモミジやコハウチワカエデ、ノムラモミジなどが色づき始め、11月下旬にかけて見頃となる。2025年10月25日から11月24日(振休)の17時30分から21時(最終受付20時45分)までは「円通院紅葉ライトアップ2025」を開催。


■【東北・宮城県】宮城県松島離宮 / 歴史薫る十角三重塔と紅葉に包まれる、松島を映す庭園の絶景


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


紅葉と十角三重塔の織りなす「宮城県松島離宮 紅葉ライトアップ」/宮城県 松島離宮の紅葉 画像提供:松島離宮


2023年「JAPAN TRAVEL AWARDS」感動地に認定された宮城県松島離宮。松島離宮庭園やその先に広がる山々に植えられた、日本古来のイロハモミジ・ヤマモミジ計100本が彩りを添えて、宮城県松島離宮全体が紅く彩られており、その象徴でもある日本唯一の十角三重塔と真紅の紅葉が、特別に設置されたライトアップで幻想的に照らされている。また、照明学会から照明普及賞を受賞した庭園の水面にリフレクションするライトアップは幻想的な光景を創り出し、秋夜を特別なひとときとしてお迎えしている。


■【東北・福島県】花と歴史の郷 蛇の鼻 / 約500本のカエデが園内を赤く染める


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


園内のどこからでも、赤く染まる紅葉を見ることができる/花と歴史の郷 蛇の鼻の紅葉 画像提供:花と歴史の郷 蛇の鼻


明治の末に建てられた豪農伊藤家の別邸「蛇の鼻御殿」がある園内は、季節ごとに咲く美しい花々に彩られる。樹齢100年を越えるカエデが500本以上あり、10月下旬頃から徐々に色づきはじめ、園内を真っ赤に染めていく。カエデの中には幹周りが2メートル近い大樹もあり、見応えは十分。擂鉢(すりばち)池の水面には紅葉が鏡のように映り込み、この時期だけの優美な光景を楽しめる。紅葉と合わせて、キクやサザンカなどが花開く姿も園内で鑑賞することができる。また、2025年11月1日~30日(日)の期間は、もみじ祭りが開催。


■【東北・福島県】矢祭山 / 燃えるような紅葉に包まれる清流と奇岩の渓谷美


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


鮮やかな紅葉が広がる/矢祭山の紅葉 画像提供:矢祭町


奥久慈県立自然公園矢祭山は、その景観の素晴らしさから「東北の耶馬渓」とも称される県内有数の景勝地となっている。久慈川の清らかな流れとともに奇岩怪石に富んだ渓谷が続き、独特の風景を造り出している。例年、11月中旬には辺り一面が真っ赤に燃えるような紅葉に包まれ、澄みきった青い空との美しいコントラストは見事。矢祭山公園の周辺には、月見橋や新夢想橋、あゆのつり橋など、一幅の絵のような景色が楽しめるスポットも多い。


■【東北・福島県】霊山県立自然公園 / 色づく岩山と太平洋が望める人気スポット


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


秋には錦絵を思わせるほど鮮やかに色づく木々が岩山を覆う/霊山県立自然公園の紅葉 画像提供:Ryo Yamada


阿武隈山系の緩やかな稜線の中にそそり立つ標高825メートルの霊山を中心にした、国の名勝の指定を受けている自然公園。モミジやケヤキ、ヤマボウシなどの木々が岩山を彩るさまを鑑賞するために訪れる人も多い。山中にはハイキングコースも整備されていて、太平洋を望む大パノラマと気軽なトレッキングを楽しめる人気のスポットにもなっている。


【関東】今見頃・まもなく見頃を迎えそうな紅葉名所


■【関東・群馬県】国指定名勝 吾妻峡 / 関東の耶馬渓と謳われた名勝の美しい渓谷


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


吾妻川の浸食でできた渓谷を紅葉が彩る/国指定名勝 吾妻峡の紅葉 画像提供:東吾妻町まちづくり推進課


群馬県吾妻(あがつま)川にかかるふれあい大橋から上流の新蓬莱まで約2.5キロの渓谷。紅葉の時期には両岸に生い茂るカエデ、クヌギ、イヌシデ、リョウブ、桜類の落葉樹が美しく色づく。紅葉は、例年、10月下旬頃から色づき始め、11月上旬頃にかけてが見頃となる。大昔に火山が噴き出した溶岩を吾妻川の水が深く浸食してできたと考えられ、九州の耶馬渓にちなんで関東の耶馬渓とも呼ばれる。なかでも川幅4メートル、深さ50メートルの深淵・八丁暗がり付近は最大の見どころ。


■【関東・群馬県】徳明園 / 見頃が長い、エリア屈指の庭園紅葉美


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


園内の日本家屋から紅葉で彩られた庭園を楽しめる/徳明園の紅葉 画像提供:洞窟観音 徳明園


徳明園は、そのスケールの大きさで北関東屈指の名園と評される日本庭園。隣接する洞窟観音の建設と並行して造園が進められた。庭園は枯山水、池泉回遊、苔庭、石庭の4つのエリアからなり、それぞれに群馬の銘石とされる三波石の巨石とモミジがふんだんに配置、植樹され、紅葉の名所として名高い。庭園の特徴である高低差により色づき時期が異なるため、紅葉の見頃は例年11月中旬から12月上旬までと比較的長く、39観音の御利益洞窟観音ご参拝と秋の紅葉庭園を一緒に楽しめる。


■【関東・茨城県】筑波山 / 関東平野を一望できる紅葉スポット


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


赤や黄色のグラデーションが秋を感じさせる/筑波山の紅葉 画像提供:つくば観光コンベンション協会


男体山、女体山の2峰からなる筑波山は、標高の低い日本百名山の1つ。山頂から御幸ヶ原にかけてはブナをはじめとした落葉紅葉樹が多く、11月上旬から紅葉を楽しむことができる。また、筑波山神社そばのケーブルカー宮脇駅周辺の紅葉も見事。山頂へは登山コースのほか、ケーブルカー、ロープウェイを利用すれば山頂付近まで楽にアクセスできる。


■【関東・茨城県】偕楽園 もみじ谷 / 日本三名園の秋は真っ赤に染まるもみじ谷の紅葉


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


モミジやカエデが園内を彩る/偕楽園 もみじ谷の紅葉 画像提供:偕楽園


1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主徳川斉昭によって造園され、金沢の兼六園、岡山の後楽園と並ぶ「日本三名園」の1つ。水戸市の中心部にありながら、四季折々に見頃を迎える植物が植えられているのも特徴。偕楽園拡張部のもみじ谷は紅葉の名所としても知られており、時期になると約170本の彩り豊かなモミジやカエデが訪れる人の目を楽しませる。また、もみじ谷にある池の水面に映る秋色の木々が美しく、季節の移り変わりを感じることができる。


■【関東・茨城県】袋田の滝 / 日本屈指の名瀑が艶やかな紅葉に染まる


色づき状況:今見頃(※2025年11月12日現在)


滝と紅葉のコラボレーションが見事/袋田の滝の紅葉 画像提供:(一社)大子町観光協会


茨城県にある、高さ120メートル、幅73メートルの大きさを誇り、日本三名瀑の1つに名を連ねる袋田の滝。流れが四段に落下することから、別名「四度(よど)の滝」とも呼ばれ、四季折々の表情を見ることができる。秋には、滝を囲うようにイロハカエデやオオモミジをはじめクヌギ、ナラ、ヤマウルシなどが赤や黄色に色づく。紅葉の時期の光景の美しさは、西行法師が詠んだ歌「花紅葉(もみち)経緯(たてよこ)にして山姫の錦織出す袋田の瀧」からもうかがい知ることができる。


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