赤ちゃんが人生で初めて足を通す「ファーストシューズ」。そんな記念すべき一足を手作りできるのが、革小物を製作・販売するクアトロガッツの「ファーストシューズ手縫いキット」だ。初心者でも作れる体験型ギフトで、約2時間で栃木レザーの手作りシューズが完成するというもの。今年9月2日の「靴の日」に発売され、たちまち完売となる大反響を引き起こした商品だ。

同製品を手掛けるクアトロガッツは、ミニサイズの革財布「小さいふ」をはじめ、ほかではなかなか見ないユニークな革小物を企画・製作・販売する革工房。今回はクアトロガッツの竹中遥香さんに、ファーストシューズ手縫いキット商品化の舞台裏や、クアトロガッツのものづくりへのこだわりについて話を聞いた。
父親の想いが起点の人気商品。ファーストシューズ手縫いキットが生まれた背景
――「ファーストシューズ手縫いキット」が誕生した背景を教えてください。
【竹中さん】商品が生まれたきっかけとしては、クアトロガッツの製作部門長で革職人の矢田が「子どもが生まれた時に、父親として何か特別なことをしてあげたい」という思いから、息子がお宮参りの時に履くために一足のファーストシューズを手作りしたのがきっかけです。
そこから「手作りの靴をお子さんに贈るっていう喜びを多くの人に体験してほしい」と、どんな人でも手作りのファーストシューズが作れ、特別な贈り物をすることができるキットが生まれたと聞いています。

――サイト上ではすでに完売で、反響は大きいと思います。実際に見た方、購入した方の声はいかがでしたか?
【竹中さん】大阪のららぽーとEXPOCITYに実店舗がありまして、通りすがりの家族連れの方が立ち止まって見ていたり「かわいい」と言ってもらえたり、いい反応をいただいているなと思っています。
――革職人の方々が普段製作しているものを誰でも作れるようなキット、その製作にあたり、どんな工夫をされましたか?
【竹中さん】どんな方でも作っていただけることを大事にしていますので、裁断されたパーツに穴を開けておいて、針で糸をつけて通せば組み上がるような仕組みにしています。また、説明書の代わりに参考動画を見ながら組み上げていただくようにしたのもポイントです。難しい部分はスロー再生に、細かい部分はアップにしたりと動画も工夫して、動画を見ながら一緒に作っていただけるよう少しでも組み上げられやすいような形をとりました。