東京・丸の内にある明治生命館。1934年(昭和9年)に竣工した明治生命館は昭和初期におけるオフィスビルの最高峰とも言われる建築物で、1997年に昭和の建物としては初の国の重要文化財に指定された。その1階部分に2025年11月22日、「明治安田CAFE 丸の内」がオープンした。

誰でも気軽に利用できる落ち着いた空間

明治生命館は1928年に建設が決定し、当時の建築界の重鎮、曾禰達蔵さんが建築顧問を務め、当時を代表する8名の建築家によるコンペを実施。「様式建築の名手」と称された東京美術学校(現東京藝術大学)の岡田信一郎さんの設計案が採用されたが、間もなく病に伏し急逝。実弟の岡田捷五郎さんが後任に就き、1934年に竣工した。

主要な意匠は古代ギリシア・ローマを源流とする古典主義様式でまとめられ、西欧の古典主義建築にもひけをとらない圧倒的な力感をみせる外観や、各種の大理石を用いた内観、木材を主役として落ち着いた雰囲気にまとめられた回廊や諸室など、建築物としても見どころが多い。