
2025年も残りわずか。「年末の人気漫画振り返り」と題し、特に反響の大きかった話題作をピックアップ!
朝食のテーブルに並ぶトーストとバターは、明らかに2人分。にもかかわらず、夫はそのバターをすべて自分のパンに塗ってしまう。妻が何も言わずに見つめていると、夫は悪びれもせず「君は気にしなくていい」と一言。その言葉に、妻は心の中で静かに違和感を積み重ねていく。鳩ヶ森(@hatogamori)さんが描くSNSで連載中のミステリー漫画「犯人を予想する漫画『仮門』」は、こうした日常の一コマから始まる。だが、その空気はどこか不穏で、読者はすぐに気づかされる。これはただの夫婦の話ではない、と——。
10年前の女児失踪事件が、すべての中心にある



本作の軸にあるのは、10年前に起きた女児失踪事件だ。物語は現在と過去を行き来しながら進み、登場人物それぞれの言動に小さな棘のような違和感が刺さっていく。