
「同じミスを繰り返すのはバカだけ」「そこに立ってなさい」。一見華やかに見えるアパレル業界の裏側で、静かに、しかし確実に心を削っていく言葉がある。実話をもとに“女社会”の空気を描き続けてきたゆき蔵さん(@yuki_zo_08)の漫画「女社会の知られざる闇。」は、そんな現場の息苦しさを真正面からすくい取った作品だ。今回はその中から、たった一度のレジ対応ミスが、理不尽な公開処刑へと変わっていくエピソードを紹介する。
失敗は理不尽に晒される!? 異動先を覆っていた奇妙な緊張感



非正規スタッフとして働いていたゆき蔵は、努力の末に正社員試験に合格し、別支店への異動が決まった。新天地となった百貨店では、鬼ヶ島店長と呼ばれる女性店長がフロアを仕切っていた。配属されて間もなく、ゆき蔵は店内に漂う奇妙な緊張感に気づく。ミスが許されないのはどの職場でも同じだが、この店では「失敗した本人が晒される」空気が当たり前のように存在していた。