ウォーカープラス

バイクでは入れないほどの細い山道の先へは杖を使って歩いて登る。 送達ねこ(@jinjanosandou)


「ああ、今日はいいお話を読んだなあ……」そんな余韻を残す感想が、静かに、しかし確かに広がった作品がある。郵便配達員が実際に体験した出来事をもとに描かれた「山に棲む」だ。読者からは「深夜ドラマで観たい」「幾重にも深い話」といった声に加え、「平凡な日常の中にも等しく“生きる重み”があることを教えられる」という共感の言葉も寄せられた。本作を描いたのは、現役郵便局員でもある送達ねこさん(@jinjanosandou)だ。


山の奥、その先に人が暮らしている限り


その先に民家があれば郵便局員はどこまでも行く 送達ねこ(@jinjanosandou)


山に棲む_P02 送達ねこ(@jinjanosandou)


「杖」は足腰のために持って行くのではなかった! 送達ねこ(@jinjanosandou)


「踏み外せば谷底」――そんな言葉が冗談にならないほど、山深く細い道。その先に民家がある限り、郵便配達員は足を運ぶ。今回の主人公は、バイクすら入れない山道を担当することになった郵便配達員・N局のアラタさんだ。


都会育ちで、配達員になりたてだったアラタさんは、教育係の江藤さんに連れられ、「一般車両進入禁止」の道を歩いて集落へ向かうことになる。「こっからは歩きだ。上まで杖をついてく」若さゆえに杖を断ると、「足腰の話じゃねえ!蛇を追い払うんだ!」と一喝。「誰がジジイだ、東京もんは何も知らねえ」と怒鳴られ、「すみません…」と小さく謝るしかなかった。


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