「職場で一緒に働きたくない人」がSNSで話題となり、結局は「人間関係こそがストレスの元凶」という嘆きであふれかえった。多くの人が感情的な摩擦に心を削られているが、散見される解決策は「気にしない」「強くなる」といった精神論に終始している印象だ。
これに対し、「しんどさを感じるのは、あなたが弱いからではありません。脳が環境の負荷に正常に反応している証拠です」──そう分析するのは、MBAと医学博士号を持ち、行動科学を専門とする板生研一さんである。

“雑談が多い=風通しがよい職場”は錯覚だった
実務で人を消耗させるのは、あからさまな悪意だけではない。むしろ厄介なのは、善意でかけられる「雑談」だという。世間では“雑談が多い=風通しがよい”とされるが、板生さんは “その前提がまず誤解を生む”と指摘する。
「雑談のたびに、脳は『仕事モード』を一度強制終了して、またゼロから立ち上げ直しています。この再起動に、猛烈なエネルギーを使うのです」(板生さん、以下同じ)