ウォーカープラス

街なかを歩いていると、たびたび聞こえる「献血にご協力ください!」という声。「協力したほうがいいのはわかっているが、自分の血で大丈夫なのか?」…そんなことを考え、なかなか行動に移せない人も多いのではないだろうか。


無意識な貧血や日々の不摂生、女性であればホルモンバランスなど、さまざまな要因から「自分は献血できない」と思い込んでいる人もいるはずだ。また、「一度献血に行ったができなかった」という人もいるのでは?


そこで今回、大阪府赤十字血液センター 事業推進一部 献血推進課の恵比須有実子さんに、意外と知らない献血の基本情報を聞き、“献血できる人・できない人”について疑問をぶつけてみた。さらに、筆者が初めての献血に挑戦!初心者向けに、その実態をレポートする。


「献血した血液はどのように使用されるの?」「美容医療を受けていても献血できるの?」献血にまつわるさまざまな疑問を大阪府赤十字血液センターに直撃! 画像提供:大阪府赤十字血液センター


輸血を受ける側になる可能性があるからこそ知っておきたい“献血のこと”


――まず、献血の基本的な流れを教えてください。


【血液センター】簡潔に言うと、「受付→問診→事前検査→採血→休憩」という流れです。所要時間ですが、血液中の赤血球・白血球・血小板・血漿(けっしょう)などすべての成分を採血する「全血献血」で約40~60分、血小板や血漿だけを採血する「成分献血」で約90~120分となります。なお、採血そのものにかかる時間は、「全血献血」で約10~15分、「成分献血」では採血量に応じて約40~90分となります。


――献血した血液は、誰のために、どのように使用されるのでしょうか?


【血液センター】病気やけがの治療などで血液製剤を必要とする患者さんのために使われます。がんや白血病といった病気の治療・手術、出産時の大量出血、事故による外傷など、さまざまな医療現場で欠かせないものです。


【血液センター】少し詳しく話すと、いただいた献血血液からつくられる血液製剤は「輸血用血液製剤」と「血漿分画製剤」の大きく二つに分けられます。「輸血用血液製剤」は日本赤十字社が製造し、各都道府県の血液センターから、医療機関へ供給しています。また、「血漿分画製剤」は国内製薬企業で製造されていますが、製剤のもととなる原料血漿は日本赤十字社から国内製薬企業へ供給しています。


「輸血用血液製剤」の紹介(2025年4月時点での情報) ※画像は日本赤十字社「愛のかたち献血 第30版」P5より引用 画像提供:大阪府赤十字血液センター


「血漿分画製剤」の紹介 ※画像は日本赤十字社「愛のかたち献血 第30版」P6より引用 画像提供:大阪府赤十字血液センター


東京都保健局の「疾病別輸血状況」※画像は日本赤十字社「愛のかたち献血 第30版」P4より引用 画像提供:大阪府赤十字血液センター


――献血について事前に少し調べたのですが、「全血献血」には「200ミリリットル献血」と「400ミリリットル献血」があるのですね。なぜ「400ミリリットル献血」が推奨されているのでしょうか?


【血液センター】一人ひとりの血液は、たとえ血液型が同じでも微妙に違っています。そのため、一人の患者さんに複数の献血者の血液を輸血するほど、発熱や発疹といった副作用が発生する可能性が高くなります。「400ミリリットル献血」は、輸血を受ける患者さんにとって少人数の献血者からの血液で輸血を可能にし、副作用発生の可能性が低くなることで、輸血の安全性が高まる献血の種類です。なので、献血の基準を満たす方には「400ミリリットル献血」の協力を依頼しています。


【血液センター】「200ミリリットル献血」は、「400ミリリットル献血」の年齢基準を満たさない16歳の男性や16~17歳の女性を中心にご協力いただいています。


――たとえば、800ミリリットルの輸血が必要な患者さんに、4人分の「200ミリリットル献血」を輸血するよりも、2人分の「400ミリリットル献血」を輸血したほうが、あとあと患者さんの負担になりにくいということですね。


【血液センター】はい、そういうことです。だからと言って「200ミリリットル献血」が不要というわけではありませんので、「400ミリリットル献血ができるかわからない」という方も、事前に血液センターにお問い合わせいただければと思います。


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