
クレーム客に理不尽な理由で長時間拘束され、心身ともにすり減らしてようやく局へ戻る。しかし、そこで待っていたのは、新人の入力漏れによる「未処理の仕事」の山だった。結局、自分がすべての尻拭いを引き受け、残業を終えた帰り道。夜道を歩きながらふと気づく。
「今日俺、誕生日じゃん……」
踏んだり蹴ったりの最悪な1日。せめてもの自分へのご褒美にと、コンビニで“ちょっといいビール”を買い、彼はあの「踏切」へと向かった――。
今回は、現役の郵便配達員たちが実際に体験した怪異を漫画化した、送達ねこさん(@jinjanosandou)の『郵便屋が集めた奇談』より、ホラーでありながら「涙が出る」「心に沁みる」と話題を呼んだ珠玉のエピソードを紹介する。





【漫画】本編を読む
踏切に横たわる「静かな幽霊」
その町には、幽霊が出る踏切があるという。受験に失敗し、電車に飛び込んだ高校生の幽霊だ。恐ろしい姿で現れて人を呪うわけではない。ただ眠るように、静かにそこに横たわっているのだ。見えない人のほうが多いが、その幽霊の存在は町の共通認識になっていた。