
身長170センチのひなは、低身長男子に片思いをしている。ある日の下校時、靴箱で彼と友達の会話を耳にする。「自分よりデカい彼女とかねーわ」「あーそれな」。その言葉に、ひなはその場にへたり込む。「やっぱこんなデカい女、イヤかぁ」と胸の奥でつぶやき、静かに涙をこぼすのだった。
“受け止めてきた”けれど、好きな人の言葉は別だった



これまでも、教室では後ろの席になった男子に「黒板見えんし。もうちょいかがめや」と言われ、体育では「男の試合に出ね~?」と声をかけられ、名前をからかわれることもあった。同年代の女子から「おねーさま」と呼ばれることもある。それでも、ひなは受け止めてきた。自分の身長は変えられないとわかっているからだ。
しかし、好きな人の何気ないひと言は違った。「さすがにヘコむなぁ」という感情は、ごまかせない。強がりきれない本音が、静かにあふれ出す。そんな等身大の心情が、本作の大きな魅力である。