
町の隅々まで郵便物を届ける郵便配達員。その現場では、ときに不思議な出来事や背筋が冷たくなる体験が語られることがある。現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さんは、そうした実体験や同僚から寄せられた話をもとに「郵便屋が集めた奇談」を描いている。今回は、その中から事故に遭った配達員の身に起きた奇妙な出来事を描いたエピソード「死に損なった俺の話」を紹介する。
ブラック連勤が当たり前だった時代



舞台となるのは、平成20年代前半。まだ36協定の運用も今ほど厳しくなく、長時間労働が珍しくなかったころだ。N局に勤めていた星野さんは、郵便局の仕事に加えて別の配送業も掛け持ちしていた。
その日、星野さんはすでに18連勤中。ところが急な欠勤が出てしまい、急きょシフトに入ることになった。「ま、稼げるからいっか…」。若さもあり、軽い気持ちで引き受けた矢先、思いもよらない出来事に巻き込まれる。