当日の再配達の受付時間終了後の郵便局に、ある1本の電話がかかってきた。もう再配達は受けられない旨を説明しても、その男はどうしてもと聞かず、何かに怯えている。困り果てたスタッフに相談されて郵便部のYさんが電話を代わることにした。男が言うには、日中留守にしていて、帰宅すると不在票が入っていたという。不在票にガタガタ震えている様子が電話越しにも伝わってくるのだが、一体何に対してこんなにも恐怖しているのだろうか?
今回紹介する話では、男の家に届いていた不在票は「東京の知らない弁護士事務所からの簡易書留」だった。郵便局員のYさんに「…何の郵便?」と聞いてくるあたり、男も中身に心あたりはない様子だったが、電話を続けているうちに「心あたりは、うっすらいっぱいある」と白状した。「ネットで煽ってきたやつに悪口いっぱい返した」「ほったらかしの実家。道路に枝出てるかも」「使ってない店の駐車場に駐車した」…ツラツラと心あたりの数々が出てきて「訴訟だよな、きっと…」と落ち込み始めた。