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2026年3月、警視庁の元警視正が、部下に日常的に不機嫌な態度を取り、職場を萎縮させたとして処分された。「反論すると不機嫌になる」「一度嫌われたら終わり」…そんな切実な証言が集まり、明確な暴言がなくとも職場を支配する「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」が認定されたニュースは、大きな話題を呼んだ。


“ハラスメント”といえば、怒鳴り声や執拗な叱責といった直接的な行為を想像する人も多いだろう。「直接怒鳴られたわけではないからマシ」「ため息くらい、適当にいなせばいい」と、いまだに被害を軽く見る向きもある。


多くの人が職場の理不尽な空気に心を削られているが、散見される解決策は「気にしない」「うまく受け流す」といった精神論に終始している印象だ。暴言や暴力といった目に見える形がなくても、「ただ機嫌が悪い」という空気は、いかにして働く人の思考力を奪い、職場のチームワークを静かに壊していくのか。


これに対し、「しんどさを感じるのは気のせいではありません。脳と体が正常な防衛反応を起こしている証拠です」と分析するのは、行動神経科学を専門とする板生研一さんである。


今話題の「フキハラ」の実態とは? 【画像提供=写真AC】


不機嫌な上司は、部下にとって“猛獣レベル”の脅威


実際に、不機嫌な空気が人間の体にどれほどのダメージを与えるのか。科学的なデータを見れば、「気にしなければいい」とはとても言えなくなるはずだ。


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