
鮎美が作る夕飯は、筑前煮やサバの味噌煮など勝男が好きな和食がメイン。勝男は「美味しい」「いつもありがとう」と言いつつも、「しいていうなら、全体的におかずが茶色すぎるかな?」とアドバイスした。この関係が順調だと思っていた勝男は、しかし、6年目の記念日にプロポーズをすると振られてしまう。失って初めて、彼女がどれだけ丁寧に料理を作っていたかを知る、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(ぶんか社)を紹介する。「今夜すきやきだよ」(新潮社)で、第26回 手塚治虫文化賞 新生賞を受賞した谷口菜津子(@nco0707)さんの作品だ。
価値観のズレの先で、変化していくふたりの選択



大学時代、パーフェクトカップルと呼ばれていた勝男と鮎美。完璧を求める勝男は、鮎美の手料理に「でも」「しいていうなら」と悪気なくダメ出しを重ねていた。その価値観のズレが積み重なり、プロポーズの場で振られてしまう。その後、合コンで出会った女性や部下から価値観の古さを指摘された勝男は、かつて自らダメ出しをした鮎美の筑前煮作りに挑戦。出汁や下ごしらえの手間を知り、彼女の料理がどれほど丁寧に作られていたのかを実感していく。