那覇から沖縄の青い海を横目に、のんびりと車を走らせ北へ。沖縄本島の中部に位置する読谷村(よみたんそん)は、ゆっくりとした時間が流れる穏やかな場所。海に囲まれた半島の街には、海沿いのドライブを楽しんだあと、ふと車を停めてひと休みするのにぴったりな、おすすめスポットがある。それが、2025年10月に誕生し、静かに話題を呼んでいる「ゆんラボ・未来館」だ。

ここでは、「読谷村立図書館」、「スターバックス」、「OISTサイエンススタジオ(沖縄科学技術大学院大学)」、「読谷村史編集室」、「読谷村青少年センター」などの施設がゆるやかに混じり合い、あたたかな活気が生まれている。車を止めて館内へ入ると、コーヒーの香りとともに、ふとした発見と安らぎが心地よく迎えてくれた。
豊かな自然と伝統の手仕事が息づく、読谷村という場所
沖縄本島の中部、西海岸の美しい半島に位置する読谷村。東シナ海に沈む夕日を望むこの村は、「日本一人口の多い村」としてたくさんの人が暮らしていながらも、どこか懐かしい沖縄ののんびりした空気が今も大切に残されている。

その歴史は深く、琉球王国時代に築かれた世界遺産「座喜味城跡(ざきみじょうあと)」の美しい石垣は、今も当時の面影を静かに物語る。古くから海外との交易などで多様な文化を受け入れてきたおおらかな気風と、先人たちが大切に守り抜いてきた伝統が、この土地には根付いている。その証のように、伝統的な焼き物「やちむん」の窯元の煙が立ち上り、色鮮やかな「読谷山花織(ゆんたんざはなうい)」の機織りの音が、今も人々の暮らしの中に響き続けている。

実はこの村、ただ歴史を懐かしむだけでなく、三線の材料となる木を未来へ向けて植樹するプロジェクトが進められているなど、自分たちの足元にある文化を次世代へつなごうとする想いにあふれている。「ゆんラボ・未来館」の中にも、村の貴重な歴史資料や行政文書を大切に保管し、村の歩みを後世へ伝える「村史編集室」や「行政文書保管庫」がしっかりと設けられているほど。きっと、自分たちの歴史や文化を大切にする村の人々の日常から、こうした穏やかな風土が自然と生まれているのだろう。
読谷らしさを大切にした読谷村立図書館。本とコーヒーを片手に見つけるお気に入りの場所
「読谷村立図書館」の統括マネージャー・飯塚さんは、「建物のコンセプトは『読谷村の未来を育む家』なんです。入り口を玄関に見立てて、奥へ進むと書斎、そして子ども部屋へと続くような作りにしています」と語る。その言葉の通り、ここは誰もが親しみやすい空間作りがされている。

「県内随一のライブラリー&カフェ」を目指すここは単なる本の貸出所にとどまらず、地元企業とTSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がタッグを組み、村の新しい文化拠点の役割を担っている。現在の蔵書数は約13万冊で、ゆくゆくは20年かけて24万冊へと育っていく予定とのこと。公共の図書館でありながら夜22時まで開いていて、スターバックスのコーヒーを片手にくつろげるため、敷居の高さをまったく感じさせないのがこの場所の素晴らしいところ。利用者カードと公式LINEを連携すると、LINE画面に利用者バーコードが表示され本を借りられるスタイル。読谷村の住民でない人もスマホひとつで本を借りられるので、旅行者が気軽に利用できるのもうれしいポイントだ。