
ある日父親が「がん」と告知され、余命宣告を受けた。すでに体中に転移していて抗がん剤投与も現状維持になれば御の字だという。愛する家族の死と向き合う姿を描いた、うつみさえ著『父の逝きざま 末期ガンの父を自宅で看取るまで』を紹介するとともに話を聞いた。
日本はこれから多死社会となり、自宅での看取りが増えていく




「お父さんな、ガンやって」と、ある日電話を受けた作者で漫画家のうつみさえさん。命に関わる重大な宣告を受けた人に、どんなテンションで声をかければいいかわからずに戸惑ったが、電話口で父親は元気だった。実家に戻ると、空港まで迎えに来てくれていた。「お父さん、めっちゃ痩せてる」と、言葉にならない思いが錯綜する。病院で医師から言われたのは、抗がん剤治療をするか、延命治療をしないで緩和ケアを受けるか、選択肢は2つしかない。「父のガンは想像よりずっと悪かった…」。あまりのショックに皆、言葉を失った。