川から流れてきたのは、かわいい女の子の赤ちゃんだった。「ペッシュ」と名付けられ、心優しい夫婦に大切に育てられた…はずだったが、少々おてんばに成長し、思春期ということも相まって、山で暴れまくっていた。この物語はそんなペッシュの冒険譚である。
ペッシュの服装は少し奇抜で、高校の制服とルーズソックスを着崩したようなスタイルだ。手に持って食べているのは“生ドーナツ”。現代の女子高生を彷彿させる絵に少し戸惑いながらも読み進めると、ペッシュは無事(!?)、サルと出合った。「なんか食いモンねーか?」と要求され、ちょうど持っていた“チュロス”をあげる。喜んだサルはもっと欲しがるが、すでに手持ちがなかったペッシュは、「待って。家にいけばあるかも」と自宅へ連れていき、サルはここでやっと、お決まり通りのきびだんごをゲットする。
本作『モモゼロ』はお気づきの通り、日本のおとぎ話『桃太郎』をモチーフとした物語である。描いたのは、これまで単行本『ぼくのキャノン』(著:池上永一)の装丁画などを手がけてきた経歴を持ち、おもにイラスト業の活動をしているKYAN-DOGさんだ。「これまでも気の迷いで衝動的に漫画を描くこともあるにはありましたが…」と彼は語る。本格的に漫画を描きはじめたのはここ1、2年の話だという。それにも関わらず、漫画を描きはじめてすぐの2025年3月に『会話』という作品で「pixivマンガ月例賞」の優秀賞を受賞。