
一年前に亡くなったケイは、彼女・美奈子が想い続ける存在だった。死後も霊となり彼女のそばを離れず、まるで恋敵を牽制するかのように振る舞う。その姿は一見、執着や嫉妬にも見える。しかし読み進めるうちに、その印象は静かに揺らぎ始める。イララモモイ(@mina_kan_chan)さんによる『美奈子に近づくな』は、そんな違和感を巧みに積み重ねることで読者を引き込み、3.4万いいねを集めた話題作だ。「最後まで読んでからもう一度見返した」「何度読んでも成立する」といった声が寄せられている。
止まったままの想いと動き出す関係



美奈子は亡くなったケイを忘れられずにいる。その気持ちを知りながらも、彼女を想い続けるたくは、報われない立場に置かれていた。ケイの姿が見えるのはたくだけであり、美奈子には届かない。死者を想い続ける女性と、その女性を想う男、そして彼女を見守り続ける霊。三者の関係は静かに均衡を保っていた。