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戦国乱世を生き抜き、加賀百万石の礎を築いた初代・前田利家。江戸時代に入ってからも、国内最大規模の石高を誇る大名家として14代にわたり家名をつないできた加賀前田家。彼らが途方もない情熱と財力で守り抜いてきた「美の全貌」に触れられるのが、前田育徳会創立百周年を記念した特別展「百万石!加賀前田家」。東京国立博物館にて2026年6月7日(日)までの開催。東京でこれほど大規模に前田家の至宝が公開されるのは、約60年ぶりのことだ。


特別展「百万石!加賀前田家」は、東京国立博物館の平成館で6月7日(日)まで開催中! 撮影・北村康行


会場となる東京国立博物館の平成館へ入ってみると、何百年もの時を超えてきた品々が放つ、深い歴史の空気にふわりと包み込まれる。名だたる国宝や重要文化財が視界いっぱいに広がる光景は、まさに圧巻の一言。けれど、何より心を打たれるのは、これら多種多様なジャンルの名品が「加賀前田家」という一つの家によって集められ、大切に保管され続けてきたという事実。そんな加賀前田家が守り抜いてきた名品の数々と、本展の見どころを順番に紹介していく。


黄金の兜が物語る、戦国武将の気高き美意識とドラマ


いよいよ始まる展示。どんな名品に出会えるのかとワクワクしながら進んだ第1章で、まず目に飛び込んでくるのは、初代・利家所用の「金小札白糸素懸威胴丸具足(きんこざねしらいとおどしどうまるぐそく)」。


【写真】重要文化財 金小札白糸素懸威胴丸具足 前田利家所用/安土桃山時代・16世紀 前田育徳会蔵


全体を覆う金箔の眩いばかりの色彩と、高さ約80センチにも及ぶという熨斗烏帽子(のしえぼし)形の変わり兜。実用性だけでなく、自らの存在感を強烈に放つ造形美に思わず圧倒される。実はこの甲冑、末森城の戦いで活躍した家臣・奥村永福への褒美として与えられ、後に5代・綱紀へと献上されたというドラマチックな歴史を持っている。


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