
東京への憧れを抱いて上京した美春は、金銭面を自力で工面することを条件に大学入学を果たした。しかし、そこで待ち受けていたのは、華やかな都会育ちの学生たちとの決定的な格差だった。うみの韻花(@umino_otoka)さんの『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』は、一人の女性が東京の光と闇に翻弄される姿をリアルに描いている。
埋められない金銭感覚の断絶



奨学金と日々の生活費を稼ぐことに追われる美春に対し、都内在住の友人・桜子は親から贈られたハイブランドのバッグを手にしていた。ある日、桜子に誘われて訪れたカフェで、美春は1人7000円のアフタヌーンティーを注文することになる。1日のバイト代が瞬時に消える価格に、美春は食べた心地がしない。
さらに、バイトの疲れで居眠りをする美春に対し、桜子は「大学生活の方が大事だよ」と無邪気に助言する。バイトをしなければ友人と同じ場所に立つことすらできない美春は、自分より貧しい世界が身近にあることを知らない桜子の言葉に、強い現実味を突きつけられた。自分が何のために大学に来たのか、本来の目的が見えなくなっていく葛藤の始まりだった。