“夫”という生き物は、なぜ余計なひと言を言ってしまうのだろうか。「君は気にしなくていい」と言うのなら、いちいち言わなくていいのにと、妻は心でつぶやいていた。目の前の夫は「朝食で出している2人分のトーストとバターを、すべて自分のトーストに塗ってしまう男」だった。夫婦関係は破綻寸前、いや、もう破綻していたのかもしれない。10年前のあの日、4歳だった娘が行方不明になった日から――。
SNSで連載中の話題作『仮門』は、10年前に起こった女児失踪事件を読者とともに追っていくミステリー漫画だ。
第1話では不気味な行動を取る父親の姿が描かれ、第2話では母親の友人・杏美が登場する。第3話では、行方不明になった娘の幼なじみで、現在14歳になった砂羽と圭樹に焦点が当てられる。当時4歳だった2人は事件に関係ないように思えるが、意味ありげな発言をする砂羽の存在が不穏な空気を醸し出している。