北野武監督の『首』(2023年)や山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』(2024年)、永井聡監督の『爆弾』(2025年)、河瀬直美監督『たしかにあった幻』(2026年)、 連続テレビ小説『ばけばけ』など話題作への出演で注目を集めてきた寛一郎さん。
是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊』では、綾瀬はるかさんとW主演の大悟さん(千鳥)が社長を務める会社の従業員・日高玄を演じている。
亡き息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れた夫婦の物語を描いた本作の撮影エピソードや役柄について、さらに先輩俳優からかけられた“忘れられない言葉”などを語ってくれた。

誰でもフラットに接する玄という役柄「彼のように相手に対して忖度なく思ったことを言える人でありたい」
――是枝裕和監督オリジナル脚本の本作への出演が決まったときはどのような心境でしたか?
【寛一郎】まず、是枝監督とご一緒できることがうれしかったです。出演が決まったあと脚本を読んだら、大悟さんの後輩役だったので、そんな貴重な機会はなかなかないなと思い、撮影がすごく楽しみでした。
――大悟さん演じる健介が社長を務める工務店の従業員・玄をどのような人物だと捉えて演じましたか?
【寛一郎】玄は、ヒューマノイドだろうが人間だろうが関係なくフラットに接するので、ある意味楽観的ともいえますし、見方を変えれば無神経にも見える部分を持っている人なのかなと。それは共感性がないとか、人の痛みがわからないということじゃなく、本作における彼の役割は“誰でもフラットに接する人物”だと感じたんです。
とあるシーンで、玄が健介に「それって別に誰も悪くないんじゃないですか」と言うのですが、その言葉は意外と核心を突いているのではないかと。そういう部分を意識しながら演じていました。