夏休みの沖縄旅といえば、青い海や白い砂浜、南国グルメを思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし沖縄には、リゾートの顔とは異なる、もうひとつの風景がある。
沖縄県内には在日米軍専用施設の大部分が集中しており、本島中部では基地が日常の風景の一部になっている地域も少なくない。なかでも沖縄県中頭郡嘉手納町(かでなちょう)は、町域の約82%を極東最大級の米軍基地「嘉手納飛行場」が占める町として知られている。地図で見ると、その規模の大きさを目の当たりにし、驚く人も多いはずだ。町を歩けば、フェンスの向こうに広がる広大な敷地や空を横切る航空機の姿を目にすることもある。その風景は観光地としての沖縄ではなく、沖縄の日常である。そんな嘉手納町の日常を、より間近に、よりダイレクトに体感できるのが「道の駅かでな」の展望所だ。
基地を間近に感じる、全国でも唯一無二の展望スポット
「道の駅かでな」の4階にある展望所は、“基地を一望できる唯一の道の駅”として知られるスポット。2022年のリニューアルでは、展望スペースが基地側へせり出す構造となり、これまで以上に滑走路が間近に感じられる空間へと進化した。これまで本連載の「展望室シリーズ」では、高層ビルやタワーから街並みを見下ろす施設を紹介することが多かったが、今回は少し異色である。目の前に広がるのは都会のビルの夜景でも街並みでも海原でもなく、巨大な滑走路と広大な基地の風景なのである。