「石は持って帰ってはいけない」という話を聞いたことはないだろうか。河原や山の石など、子どものころはついつい持って帰りたくなる衝動に駆られるが、大人たちから「持って帰ってはいけない」と諭された経験がある人は多いはずだ。今回紹介するエピソードは、郵便局員のリコさんが集荷先のご婦人から聞いた話と、自身が幼少期にあるものを拾い、不幸に見舞われてしまった体験を描いた漫画『拾う』である。
執着の果てに…不幸を呼ぶ“謎の拾い物”
N支店に勤めるリコさんは、集荷のために訪れたご婦人宅で「石」の発送を依頼された。ご婦人は少し話しづらそうに「登山でこれを持ち帰ってから不幸が立て続けに起こって…」と明かした。不安になって寺に相談したところ、山の管理者に返すようアドバイスされ、石を送り返すのだという。
この話を聞き、リコさんにも思い当たることがあった。それは小学生のころ、学校からの帰り道のことだった。リコさんはある“もの”を拾ったことを思い出したのだ。それは汚れているのに“とてもいいもの”に思えて仕方なかったという。一度は捨てられても、ゴミ収集車を追いかけて取り戻すほどに執着していた。