ほんの少し目を離しただけだったのに、幼い少女は忽然とどこへ消えてしまったのか。携帯電話の着信が鳴って娘から目を離したのは、ほんの数分ほどのことだった。その数分を、その後の人生で延々と後悔することになる。
10年前の幼女失踪事件の幕開け
SNSで興味深い漫画の連載が始まった。「犯人を予想する漫画『仮門』」というタイトルの通り、犯人を予想しながら読み進めていく作品だ。物語は、洗濯物をたたむ幸せな家庭のシーンから始まる。洗濯物に紛れて家の中に入ってきたテントウムシを見つけた常見七海(4歳)は、逃がしてあげるために庭先へ出る。そのとき携帯電話の着信音が家の中から鳴り、母親は少しの間その場を離れた。そして戻ってきたときには七海の姿はなく、神隠しにでもあったかのように消えてしまっていた。七海が温かい家の門をくぐることはなく、常見家の空気も冷たく凍ったまま10年もの歳月が流れた。