妻のひまわりは誰からも愛される笑顔の似合う女性だった。しかし、結婚10周年、夫婦そろって30歳を迎えたばかりだというのに、現在の妻はまるで老婆のように歳を取っていた。
「気味悪いったら」「あのおばあさんも30歳」と近所の主婦たちは興味本位の視線を送る。夫は周囲の目を気にせず妻を大切にするのだが、どうしてもできないことがあった。それは、急激に老いていく妻の顔を直視すること。「俺は…老いが恐ろしい」と妻に隠れ、呜咽していた。
「としとしあわせ」に込められた夫婦の幸福
本作の作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞(小学館)や、2021年5月期の新世代サンデー賞(小学館)で佳作を受賞した経歴を持つ墨染清(@sumizomesei)さんだ。「老い」について描いた本作のタイトル『としとしあわせ』は、「歳と幸せ」と、夫婦が手を取り合う「歳歳合わせ」をかけたものだという。